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【CWRA】2014年から2022年における日本の乳児の虐待による頭部外傷(AHT)入院発生率は横ばい

2026.07.08
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― COVID-19流行や男性育児休業取得率の上昇との明確な関連は認められず ―

CWRA藤原武男教授,、河原智樹助教らの研究チームは、2014年から2022年における日本の乳児(1歳未満)の虐待による頭部外傷(AHT:Abusive Head Trauma)の入院発生率が、統計学的に有意な増減を示さず、横ばいで推移していることを明らかにしました。

AHTは、乳児期における致命的な虐待の主な原因の一つであり、生存した場合でも生涯にわたる神経発達障害をもたらすことが多い重篤な外傷です。日本では2013年以降、泣き止まない乳児への対応や揺さぶり防止に関する啓発キャンペーンが推進されてきましたが、その後の全国的な発生率の推移は明らかになっていませんでした。

本研究では、全国の診断群分類包括評価(DPC)データベースを用いて、1,040万人年分の乳児データを後方視的に解析しました。その結果、確度が高いとされるAHT疑い(presumptive AHT)の発生率は、2014年の人口10万人あたり7.9人から2022年には10.5人へと推移したものの、有意な年次トレンドは認められませんでした(P for trend = 0.91)。この結果は、先行研究で示された2010〜2013年の全国推計値(10万人あたり約7〜8人)と比較しても、AHTによる疾病負担が依然として継続していることを示しています。

さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる社会的混乱や、全国的な男性の育児休業取得率の上昇といったマクロな環境変化とAHT発生率との間にも、有意な関連(association)は認められませんでした。

本成果は、乳児のAHT予防において、知識提供を中心とした啓発活動だけでなく、具体的な産後ケアへのアクセス経路を確保するなど、包括的かつ構造的な支援体制の整備が不可欠であることを示しています。本研究成果は、5月30日付の「Child Abuse & Neglect」誌に掲載されました。

Tomoki Kawahara, Yui Yamaoka, Kiyohide Fushimi and Takeo Fujiwara. Incidence of hospitalized abusive head trauma among infants in Japan, 2014–2022 Child Abuse Negl. DOI:10.1016/j.chiabu.2026.108139

図. 年次別のAHT入院発生率。乳児10万人あたりのAHT発生率は、有意な年次変化を示さず、横ばいで推移(P=0.91)

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