【SPTI】陶器形状から、記録にない江戸時代の暮らしを描き出す
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― 幾何学的形態測定学と機械学習で肥前「大甕」243点を分析 ―
未来社会創成研究院・リベラルアーツ研究教育院のロフタス・ジェームズ・フランシス准教授は、江戸時代(1603〜1868年)に肥前国(現在の佐賀県・長崎県周辺)で生産された大型陶器「大甕(おおがめ)」の形態変化を、考古科学の手法である幾何学的形態測定学(GMM)と、人工知能(AI)の一種である機械学習(ランダムフォレスト)を組み合わせて分析しました。
大甕は、水や醤油の貯蔵、肥溜め(人糞を集める肥料容器)、さらには遺体を納める甕棺(かめかん)として埋葬にも用いられた、江戸時代の人々の暮らしと死の双方を支えた多機能な容器です。
本研究では、肥前・筑前地域(現在の佐賀県・福岡県)の窯跡および墓地から出土した243点の大甕の形状をデータ化・解析し、(1)時代が下るにつれて形のばらつきが統計的に有意に減少し、形態の標準化が進んだこと(2)墓地(甕棺)から出土した甕と窯跡から出土した甕との間に明確な形態的分化があることの2点を明らかにしました。
これは、大甕の形が、時間の経過に伴う標準化と、日常使用・埋葬という用途ごとの要請の双方によって変化していったことを示しています。標準化されたことを前提としていたこれまでの考察に対して、AIを取り入れた新たな手法により、初めて定量的な検証を行い、新たな考古科学的な考察を行なった点が本研究の特色と言えます。

本成果は、8月19日付(現地時間)の「Open Archaeology」誌に掲載されました。
James Frances Loftus. Water, Soy Sauce, Feces, and Death: A Geometric Morphometric and Machine Learning Analysis of Edo-Period Ogame Jars, Japan Open Archaeology DOI: 10.1515/opar-2025-0083
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